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公開日:2024年6月1日

ARCHは2024年1月19日/20日の深夜、「私のまちで東京ストリートカウント 2024冬-誰もいないことを祈る-」を実施しました。本企画は市民一人ひとりが同じ夜にそれぞれの暮らすまちを見守り、心配な状態にある人との出会いを記録する市民参加型の夜間路上ホームレス人口調査です。2021年、2022年と夏に開催してきた私のまちストカンですが、今年は初めての冬の開催となりました。

夏とは違う極寒の冬の中での本企画の開催概要、調査結果、参加者の声を報告します。 

(参考:私のまちストリートカウントとは

 

目次

開催概要

当日の流れ

主な調査結果

 ・まちごとの結果

 ・全体としての結果

参加者の感想

今後に向けて

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◆開催概要

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両日ともに寒い冬の夜の中、そして二日目は冷たい雨が降りしきる中、一日目63名、二日目30名、他日1名、計89名の参加者がそれぞれの「私のまち」を見守りました。他にも、参加者と共に26名の同伴者(参加登録なし)が歩いてくださりました。

合計で67の「私のまち」を見守り、寒い冬の中で心配な状態にある人がいないことを祈りながら、「野宿している人」「今晩行き場がなくここにいると思われる人」「それ以外で心配な状態にある人」との出会いを記録しました。

 

当日の流れ

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当日は22:30からzoomで出発式を行い、参加者と共に注意事項を共有し、その日の夜一緒に歩く人がいることを確認しました。23:00以降に各自で調査を開始し、参加者はそれぞれの「私のまち」を1~2時間程度歩き、出会った人や置かれている荷物の記録を行いました。

帰宅後、見守った記録(歩いたルート、出会った人・記録したモノ、感想)を本部へ送信し、他の参加者とお互いの感想をオンラインで共有しました。

主な調査結果

◆まちごとの結果 -それぞれの「私のまち」と、そこでの出会い

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参加者延べ94名で見守った「私のまち」は67ありました。見守った67の「私のまち」のうち、半数近い32のまちで何らかの心配な状態にある人との出会いがありました。昨年夏は調査した「私のまち」の約2/3で出会いがありましたが、今冬は二日目が全国的に雨天だったということもあり、それよりも少ないという結果になりました。それでも、約半数の「私のまち」で、冬の寒い深夜に何らかの心配な状態にある人が屋外にいることが確認されました。

◆全体としての結果

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※図をクリックすると拡大表示されます

上図のマップ上では参加者の歩いたルートをラインで、出会いのあった場所を点で示しています。

 

「私のまちで東京ストリートカウント 2024冬」では合計で216名の心配な状態にある人との出会いがありました。その中で、「野宿している人」が167名、スーツケース等大きい荷物をもってベンチに座っていたり、駅の階段に座り込んでいたりする「確かではないが今晩行き場がなくここにいると思われる人」が33名確認されました。合計で200名の人々が、少なくともその晩は屋外での不安定な居住状態(広義のホームレス状態)にあることが確認されました。

その他にも、寒い冬の夜に小さい荷物を持って一人でベンチに座っている人など、参加者が歩いている中で気になった「それ以外に心配な状態にある人」が16名いました。この状態の人は全体の8%と昨年(24%)よりかなり少ない結果になりました。過去2回の調査では、深夜に出歩く中高生などの記録が見られましたが、今冬の調査ではそうした若者が減ったことが影響していると考えられます。

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◆参加者の感想 -「私のまち」を深夜歩き、見守り、感じたこと

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「私のまち」を見守った参加者は、歩いてみたことで得られた「私のまち」の新たな発見や、近所で行き場のない人に出会ったときの衝撃、出会わずとも心配し寄り添う気持ちなどを感想として寄せてくれました。感想は、「私のまち」から都市規模、そして日本全国で共有できるものまで大小さまざまなスケールにわたりました。

いただいた感想について、詳しくはこちらをご覧ください。

◆今後に向けて

ARCHは2021年夏から今年の冬にかけて計3回、「私のまちで東京ストリートカウント」を参加者のみなさんと共に実施してきました。こうした調査が実施されることではじめて、主要駅周辺や繁華街以外の住宅地などにも不安定な居住状態の人々がいるという問題を提示することができます。

 

同時に、「私のまちで東京ストリートカウント」は、多くの人々が自らの「私のまち」の心配な状態にある人を見守るきっかけになるのではないかと思っています。お年寄りも子どもも、裕福な人もそうでない人も、そして住まいを持たないホームレスの人も、同じ「私のまち」の隣人です。

市民一人一人が日常的に「私のまち」を見守り、心配な状態にある人を互いに気にかけ、時に助け合うことができる社会の実現を目指していきます。

現在ARCHでは、年1回実施するストリートカウントからステップアップし、より多くの市民が日常的に「私のまち」を見守ることを可能にするためのツールの開発を進めています。たくさんの市民が「私のまち」を見守れるよう、次回のストリートカウントに向けて準備を進めていきます。

「私のまちで東京ストリートカウント 2024冬-誰もいないことを祈る-」

活動報告書はこちらから

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